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「妹」 ヘウォンは、さっき垣間見た光景を思い出していた。 看護師のミンジョンとチョンジェが抱き合っているように見えたのだ。 (見間違いよね・・・) でもあんなチョンジェの穏やかな笑顔、今まで見たことがなかった。 ミンジョンがチョンジェの好きな花を知っていたのも、なんか釈然としない。 「ヘウォン、いくつコーヒー買ってるの?」 振り向くとチョンアだった。 「うん、えと、いくつ要るんだっけ・・・」 ラウンジでヘウォンはさっきの光景をチョンアに話してみた。 「え?ミンジョンさんとお兄ちゃんが?」 ヘウォンは小さく頷く。 チョンアは以前、ミヌとヘウォンがキスをしていると勘違いした光景をふと思い出して、一人笑ってしまった。 あの時は、大好きなミヌと親友のヘウォンという関係だったが、結局運命は二人を結びつけた。 「チョンア、何か可笑しい?」 「ううん。どっちにしてもお兄ちゃんだってもうそろそろ彼女ができてもいいんじゃない! ヘウォン、やきもちやいてるの?」 「やきもち?!そんなんじゃ・・・」 「今だから言うけど、ヘウォンとお兄ちゃんが結婚するんだって思ったとき、ちょっとだけお兄ちゃんを取られるような気がしたんだ。家族になるだけなのにね。 妹に対する愛情の量が減ると思ったのかな。うまく説明できないけど。 ヘウォンもこれで本当のお兄ちゃんの妹になれたんじゃない?」 「チョンア・・・。私ね、チョンジェの好きな花も気づかなかったの。 私いつもチョンジェに理想の男性像を押し付けるだけで、そうじゃないチョンジェの部分、本当のチョンジェを見ようとしていなかったのかも、なんて思えて・・・」 「お兄ちゃんはヘウォンを好きだったから、一生懸命へウォンにいい格好してたかもしれないけど、それが本当のお兄ちゃんなのよ。」 「なんだ、ここにいたの?」 ミヌは、いつまでたっても戻らないヘウォンを探しに来た。 「ミヌ先輩!来てたの?」 「ああ、チョンジェさんと仕事の話があって。」 「お兄ちゃんの仕事の話って?」 「ああ、ちょっと確認することがあったけど、もう済んだよ。 ところでヘウォン、今度の土曜日の予定は?」 「土曜日?・・・あ、ごめんなさい。チョンジェから頼まれた仕事があって、カラーリゾートに行かなきゃいけないの。」 「え?お兄ちゃんたら看病させておいて、ヘウォンにもう仕事をさせるの!」 「チョンア、いいのよ。カラーリゾートの仕事楽しみにしてたんだから。 テプンさんが請け負った仕事だけど、チョンジェがフローリストの立場でテプンさんを手伝うようにって。 ミヌさんはその日休み?」 「ああ、ごめん。実は僕も仕事なんだ。」 「そう・・・。ミヌさんも一緒に行ければよかったのに。仕事ならしょうがないわね・・・。」 「ミヌ先輩、ヘウォンと仕事、どっちが大事なの? 女性はいつも一緒にいて欲しいものなのに!」 「チョンア、それより旦那さんとは上手くいってるのか?」 「もちろんよ!新婚がうらやましい?でも彼、出張が多い仕事で寂しいんだ。」 チョンアの夫は輸入関係の仕事なので、海外出張が多い。 チョンアの携帯が鳴った。 「もしもし。オッパ?うん、うん。わかった。じゃ、待ってるね。」 にっこりしながらチョンアが言った。 「オッパの仕事が珍しく早く終わったって!こっちに向かってるって言うから、私、正面入り口で来るの待ってる!」 ミヌとヘウォンは、チョンアの後姿を笑いながら見送った。 つづく・・・ |
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